ホーム/家探しの基礎知識/瑕疵保険・アフターサービス
🛡️

瑕疵保険・アフターサービスの見方

新築住宅の保証を正しく理解しよう

瑕疵保険・アフターサービスの見方

📌 この記事の結論

新築住宅を購入すると、法律で定められた「瑕疵担保責任」と、会社ごとに定める「アフターサービス」の2種類の保証がついてきます。内容・期間・範囲がそれぞれ異なるため、引渡し前に必ず確認しておきましょう。
※ 法律情報は改正される場合があります。最新情報は公式機関や専門家にご確認ください。

2種類の保証の違い

種類 根拠 期間 内容
瑕疵担保責任
(法律)
住宅品質確保促進法(品確法) 10年間 構造耐力上主要な部分・雨水浸入防止部分
アフターサービス
(各社独自)
各社の独自基準 会社による 設備・内装・外装など(内容は会社ごとに異なる)

法律で義務付けられた10年保証(品確法)

対象:新築住宅すべて

2000年4月以降に引渡しを受けたすべての新築住宅が対象です。

義務者:売主(建売の場合は販売会社)

施工会社ではなく、売主(販売会社)が法律上の義務を負います。

対象部位

構造耐力上主要な部分

基礎・柱・梁・耐力壁・床版など、建物の骨格となる部分

雨水の浸入を防止する部分

屋根・外壁・開口部(窓・ドア)など、雨水が入らないようにする部分

責任内容

修補(直すこと)または損害賠償が義務付けられています。引渡しから10年以内に不具合が見つかった場合、売主に請求できます。

注意:10年保証の対象は「構造」と「雨漏り」に限定されています。設備の故障や内装の不具合は含まれません。

10年保証「対象」と「対象外」の整理

「10年保証」という言葉だけで安心してはいけません。法律上の保証対象は意外と狭く、生活に直結する設備や内装は含まれていません。

区分 具体例 保証
✅ 対象 基礎・土台・柱・梁・耐力壁・床版(構造耐力上主要な部分) 10年
✅ 対象 屋根・外壁・窓・ドア(雨水の浸入を防止する部分) 10年
❌ 対象外 給湯器・エアコン・換気扇・IH・床暖房などの設備機器 メーカー保証のみ
❌ 対象外 クロス(壁紙)・フローリング・建具(ドア・引き戸) アフターサービス次第
❌ 対象外 外構(フェンス・カーポート・舗装)・植栽 アフターサービス次第
❌ 対象外 バルコニー防水・結露・床鳴り(構造に関係しない場合) アフターサービス次第

⚠️ ポイント:設備・内装・外構は法律の10年保証の対象外です。これらを何年・どの条件でカバーするかは各社のアフターサービス基準書で確認が必要です。「10年保証」と書いてあっても、設備については有償対応になるケースも多いので注意しましょう。

売主が倒産しても守られる仕組み(住宅瑕疵担保履行法)

法律の10年保証があっても、売主が倒産すると請求できなくなります。そのため、2009年10月以降は売主に対して保険加入または供託(お金を預けること)が義務付けられています。

住宅瑕疵担保責任保険

JIO(日本住宅保証検査機構)・住宅あんしん保証などの第三者機関が発行する保険。万が一の際に保険会社から補修費用が支払われます。

供託

売主が法務局などに一定のお金を預けることで、補償の財源を確保する方法。保険と選択できます。

🔑 売主が倒産したときの請求の流れ

保険加入の場合:売主が倒産しても、買主(あなた)が保険法人に直接請求できます。売主を通す必要はなく、保険証券があれば保険会社に直接連絡して補修費用を請求できます。

供託の場合:法務局等に預けられたお金から補償を受ける手続きが必要です。手続きが保険より複雑なため、保険加入の物件が一般的です。

引渡し時に保険証券の交付を必ず受け取りましょう

保険番号・保険法人名を控えておきましょう(転売時にも、万が一の請求時にも必要)

工事中の倒産リスクが心配な場合は完成保証制度も合わせて確認しておきましょう

アフターサービスとは?

法律の10年保証とは別に、各社が独自に設定するサービスです。対象・期間・無償か有償かは会社によって大きく異なります。契約前に必ず確認・比較しましょう。

項目 よくある例
期間 2年・5年・10年など(会社による)
対象 建具・フローリング・設備機器・外壁塗装など
確認方法 「アフターサービス基準書」を引渡し時に受け取る
注意点 「無償」「有償」が混在していることが多い

ポイント:「10年保証」と表示されていても、アフターサービスの場合は有償対応(費用がかかる)が含まれることがあります。内容をよく確認しましょう。

確認すべき3つのタイミング

1

契約前

  • 重要事項説明書にアフターサービス基準が添付されているか確認する
  • 仕様書に保証期間・対象部位が明記されているか確認する
  • 無償・有償の対応区分を事前に確認する
2

内覧会(引渡し前)

  • 傷・汚れ・不具合を写真と記録で残す
  • 修繕が必要な箇所は担当者に伝え、約束を文書で入手する
  • 設備の動作確認(給湯器・エアコン・換気扇など)をその場で行う
3

引渡し時

  • 住宅瑕疵担保責任保険の証券を受け取る
  • アフターサービス基準書を受け取り、内容を確認する
  • 設備機器(給湯器・エアコン等)のメーカー保証書を受け取る
  • 点検スケジュール(1ヶ月・6ヶ月・1年・2年等)を確認する

ホームインスペクション(住宅診断)の活用

第三者の建築士が引渡し前に建物を検査するサービスです。不具合を「見える化」することで、後のトラブル防止に効果的です。

💰

費用

5〜10万円程度
(依頼者負担)

📋

依頼者

購入予定者
(買主側)

📅

タイミング

引渡し前
(売主の許可が必要)

実施する場合は、売主(販売会社)に事前に許可を得る必要があります。インスペクション結果は書面で受け取り、引渡し後も保管しておきましょう。

引渡し時にもらう書類リスト

引渡し当日は多くの書類を受け取ります。受け取ったらまとめてファイリングして保管しましょう。転売(売却)の際にも必要になります。

📁 保証・保険

  • 住宅瑕疵担保責任保険 証券(保険番号を必ず控える)
  • アフターサービス基準書(無償・有償区分を確認)
  • 長期優良住宅認定通知書(認定取得の場合)

📁 建物の書類

  • 建築確認済証・検査済証
  • 設計図書(平面図・立面図・仕様書等)
  • 住宅性能評価書(取得している場合)
  • インスペクション報告書(実施した場合)

📁 設備関係

  • 給湯器・エアコン等のメーカー保証書
  • 各設備の取扱説明書一式
  • 太陽光発電がある場合:FIT認定通知書・パワコン保証書

📁 土地・権利関係

  • 登記識別情報(権利証に相当)
  • 測量図・境界確認書
  • 固定資産税の納税通知書(初年度)

※ 物件・購入タイプによって受け取る書類は異なります。不明な場合は担当者に確認しましょう。

引渡し時の確認チェックリスト

住宅瑕疵担保責任保険の証券を受け取ったか
保険番号を手元に控えたか(転売時にも必要)
アフターサービス基準書をもらったか(期間・対象部位を確認)
アフターサービスの無償・有償の区分を確認したか
設備機器(給湯器・エアコン等)のメーカー保証書を受け取ったか
内覧会で不具合を記録・修繕確認したか
点検スケジュール(1ヶ月・6ヶ月・1年・2年等)を確認したか

購入後に必要になる修繕・メンテナンス費用

保証期間が切れた後も、住宅は定期的なメンテナンスが必要です。新築時から計画的に修繕費を積み立てておくと安心です。以下は一般的な木造戸建てを想定した目安です。

🔧 5年目前後

防蟻処理(シロアリ対策)の再処理

新築時の薬剤効果は5年程度。特に土台・床下は定期的な再処理が推奨される。

5〜15万円

バルコニー・屋上防水のメンテナンス確認

ひび割れや剥離が見られた場合は早めに補修を。放置すると雨漏りに直結する。

確認のみ〜5万円

🔧 10〜15年目(最初の大きな出費時期)

外壁塗装・コーキング打ち替え

外壁のひび・色あせ・コーキングの劣化。放置すると雨水浸入の原因になる。

80〜150万円

屋根塗装・補修

スレート屋根(コロニアル)は塗装・棟板金の交換が10〜15年で必要になることが多い。

30〜80万円

給湯器の交換

一般的な耐用年数は10〜15年。故障してから交換すると急な出費になるため、早めに準備を。

15〜40万円

エアコンの交換(設置台数分)

耐用年数10〜15年。複数台を一度に交換すると出費が重なるため計画的に。

10〜30万円/台

バルコニー防水の本格補修

FRP防水・シート防水の劣化・膨れが出始める時期。

20〜50万円

🔧 15〜25年目

水回り設備の交換(キッチン・浴室・トイレ)

各機器の耐用年数は15〜20年が目安。一度に複数箇所が重なると大きな出費になる。

各30〜100万円

屋根の葺き替え・カバー工法

塗装では対応できなくなった屋根材の劣化。葺き替えは高額になるため早めの診断を。

80〜200万円

フローリング・クロスの張り替え

生活感が出てきた内装のリフレッシュ。部分的な補修から全面張り替えまで状態による。

各10〜50万円

💡 修繕費の積立目安

一般的に月1〜2万円(年12〜24万円)の積立が目安とされています。30年間で360〜720万円。大規模修繕が重なる10〜15年目に向けて、早めに準備しておくと安心です。住宅メーカー・建設会社が提供する「長期メンテナンスプラン」を活用するのも一つの方法です。

※ 費用はあくまで目安です。建物の構造・仕様・規模・業者によって大きく異なります。

太陽光発電がある場合のランニングコスト

新築時に太陽光発電システムが設置されている物件は増えています。発電による売電収入がある一方、維持・交換に一定のコストがかかることも把握しておきましょう。

☀️ パワーコンディショナー(パワコン)の交換

太陽光の電気を家庭用に変換する機器。耐用年数は10〜15年が目安。故障すると発電・売電ができなくなるため、交換費用の準備が必要。

20〜40万円

🧹 パネルの清掃・点検

汚れが堆積すると発電効率が低下します。年1〜2回の清掃が推奨されます。自分で行う場合は安全に注意。業者依頼の場合は費用が発生します。

2〜5万円/回

🔍 定期点検・メンテナンス

配線・接続部の劣化・破損確認など。設置業者や保証に含まれる場合もあるため、引渡し時の書類で確認を。

1〜3万円/年

🔋 蓄電池(後付けの場合)

太陽光と組み合わせる蓄電池は、後付けで導入する場合は別途大きな費用が発生します。蓄電池自体の耐用年数は10〜15年程度。

100〜200万円

📋 機器損害保険・メーカー延長保証

落雷・自然災害による損害に備えた保険。火災保険の特約で対応できる場合もあります。メーカーによっては延長保証(有償)を設けています。

数千〜数万円/年

⚡ 売電(FIT)終了後に注意

固定価格買取制度(FIT)の買取期間(一般的に10年間)が終了すると、売電単価が大幅に下がります。FIT終了後は「自家消費+蓄電池」への切り替えや、新たな買取先の検討が必要になります。購入物件のFIT終了時期を事前に確認しておきましょう。

✅ 太陽光付き物件を購入する際の確認ポイント

  • パワコンの設置年・残り保証期間を確認する
  • FIT(売電)の開始年・終了時期を確認する
  • パネルのメーカー保証(出力保証)の残り期間を確認する
  • 過去の発電量・売電実績データがあれば入手する
  • 火災保険に太陽光設備の補償が含まれているか確認する

※ 費用はあくまで目安です。メーカー・容量・設置状況によって異なります。

まとめ

法律の10年保証 = 最低限の義務

対象は「構造」と「雨漏り」に限られます。設備や内装は含まれないため、アフターサービスの内容が重要になります。

アフターサービス = 各社の差が出るポイント

期間・対象・無償か有償かは会社によって大きく異なります。契約前にアフターサービス基準書の提示を求めて比較しましょう。

書類の一式管理が大切

保険証券・アフターサービス基準書・メーカー保証書は転売(売却)の際にも必要になります。まとめてファイリングして保管しましょう。

あわせて読みたい

📝 ご利用にあたって

このページの情報は一般的な解説を目的としており、法律の解釈や適用については個別の状況により異なります。法律情報は改正される場合があります。最新情報および具体的なご相談は、不動産会社・建築士・弁護士などの専門家または公式機関にご確認ください。